表面処理:ダイクロン事例についてのご紹介
営業推進室 周です。
今回のブログではある大手産業メーカー様での実績を紹介します。
この実績は社内で評判が高く、私自身も興味を持っていました。
担当していた開発部の中山課長に伺いました。
まずは、開発部について簡単な説明をします。
開発部は2つの業務を行なっています。
表面処理専用サイト(表面処理ガイド.com)を運営しています。表面処理やコーティングを中心に、生産設備の問題点や課題としての「耐摩耗」「滑り性」「非粘着性」など、お客様のお困りごとを解決し提案業務を行っています。
また、既にある表面処理やコーティングで解決できないケースも多いので、日々新しいものを探求し、複合コーティングの開発にも取り組んでいます。
■Q:今回の仕事のきっかけ...
表面処理ガイド.comをご覧いただき、ホームページからのお問い合わせでした。
同じ県内ということもありましたが、お問い合わせいただいた内容(お困りごと)に対する解決策(表面処理の特定)がすぐ浮かび、すぐ訪問をさせていただきました。
■Q:お客様のお困りごと...
製品を粉砕する工程(粉砕刃)で、早期的に刃が摩耗をし、バッジ時間が延びてしまいボトルネックになっていることと、交換の手間も問題となっておりました。
また設備にかかる費用も問題となっておりました。
■Q:蒲田工業からの提案...
耐摩耗性と密着性に優れたダイクロン処理しかないという想いでご提案をさせていただき、ご理解をいただいた上で試作をさせていただきました。
試作品を実機で検証された段階で、寿命が倍以上に延びやはり効果が見込めました。
表面処理のみで延命できたのですが、刃のもともとの材質をより硬度が高いものに変更をして、ダイクロン処理との相性や摩耗して膜厚が薄くなってきても母材の材質変更による更なる延命が期待できると確信したからです。
また、回転する刃は指向性がありますが、裏返して使用できるように設計変更をし、その場合、単純に2倍使用できますので、併せてご提案させていただき、採用頂く目途がつきました。
▼ サンプルの表面にダイクロン処理をしました
■Q:予想外の出来事...
ダイクロン処理は硬質炭化クロムめっきとなりますが、めっきの物性がお客様の生産される製品の特性に見合ったものかどうかを証明しなければならないことになったことです。
電解めっきの原理的に、使用してはいけない使用禁止物質や引火性のある樹脂やゴム関係の使用制限物質が含有してないことは明らかなのですが、それらが含有されていないことを証明することが難しく、苦労をしました。
民間~公的分析機鋼 併せて10社へ相談 をし、最終的にご要求に満足できる分析と分析結果をとることができました。
データを基に、蒲田工業として含有されていないことを証明することができました!
現在ではご安心された状況で、全く問題なく使用されており、延命も10倍以上となる見込みです!
蒲田工業は表面処理のメーカーではないので、お客様は直接メーカーにお問い合わせしたほうがいいではないのかと思われているかもしれません。
でも、中山課長の話を聞いた後に、お客様に選んでもらったのはよく分かりました。
蒲田工業は普通メーカーがやらないことまでお客様の為に行っています。(^^♪
表面処理やコーティングの種類やメーカーは数多くありますが、
自社で解決できないようなお困りごとの場合、また他のメーカーを探して最初からお問い合わせをしなければならない手間もあると思いますが、
蒲田工業では、幅広い知識と経験値、多くの仕入れ先様とのつながりもありますので、そういった部分でも重宝されているようです。
開発部では、多くの表面処理、コーティングサンプル(テストピース)を作成しております。
実機へ展開される前の前検証としてお役に立てればという思いで作成いたしました。
▼表面処理の一部
▼日々勉強しています
表面処理専用サイト(表面処理ガイド.com)