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治具の離型性(非粘着性)向上を実現!製品にラベルを貼り付け〈表面処理 課題解決 事例紹介〉

DATE2022.8.30 CATEGORY現場レポート

みなさん、こんにちは!開発部の中山です。
表面処理、コーティングについては私にお任せください!

お客様からのお困りごとを解決した事例を簡単に解説します。
今後、こちらで定期的に更新していきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。


対象工程:
ラベル(シール)の貼り付け工程

対象物:
治具(ローラー)

目的:
離型性(非粘着性)向上


お客様のお困りごと:
ラベルの剥離紙を剥がし、決め位置にラベルを貼り付けるための治具(ローラー)のベタつきが原因となり、ラベルがスムーズに剥がれず、チョコ停が多発していました。
また、治具のラベルを剥がすのに粘着物が堆積し、余計にとりづらい状態になってしまいました。
清掃に人手と時間がかかり、生産効率も低下しています。
治具にフッ素樹脂コーティングなど、いくつかの表面処理を行いましたが、効果がありませんでした。


蒲田工業の提案内容:
固体や固体に近い粘着質な対象物の離型性向上に一定の効果を持つ非粘着樹脂コーティングをご提案しました。
ローラー自体にシリコンゴムなどライニングするパターンもありますが、製品となるラベルに微量の溶剤などが含有しており、連続使用によるシリコンゴムの劣化による表層の硬化の発生による懸念もあったため、耐溶剤タイプの非粘着樹脂コーティングとしました。

非粘着樹脂コーティングサンプル写真
非粘着樹脂コーティング

〈選定手順と詳しい説明〉

1,母材の材質、寸法、形状、使用条件、使用環境などによって選定する表面処理加工技術が異なります。まずはじめに、材質、形状、温度帯、粘着テープに含浸されている薬品などを確認させていただきました。
2,確認させていただいた結果、非粘着樹脂コーティングが最も条件に合うので、ご提案しました。
3,複数グレードのサンプルを用意し、お客様にご提供しました。 お客様に実際に粘着テープを貼り付けてみたり、擦ってみていただき、離型性と製品傷など生じないか検証していただきました。
4,粘着物の付着防止効果に納得していただき、採用されました。


非粘着樹脂コーティングについて:
非粘着樹脂コーティングは使用用途に応じて12グレードあります。
処理を行う際に表面の粗さに大きく違いが生じるものがあるので更に細分して選定する必要があります。
また、ラベル(シール)の貼り付け工程では、母材がアキュムレートしたり、製品がその上で摺動する動きがある場合は、目の粗いグレードを処理すると、製品を傷つけてしまったりすることがあります。また、凹凸が粗いと逆にグリップしてしまうこともあります。 お客様の実際のご使用状況を確認させサンプルでテストを行い、慎重に選定を行うことをお勧めします。

非粘着樹脂コーティングについての詳細はこちらから
→ https://www.kamata.co.jp/html/surface/surface_02_6.html


実現できた効果:
サンプルをご提供してある程度離型性の効果を検証できた為、実機での採用による不具合が生じず、生産を安定させました。
清掃については、粘着テープで埃や若干のカスなど除去するのみとなり、次工程で粘着テープが張り付いてしまいそうな箇所にも展開しました。
※次工程:ラベル製造時のスリッター刃物や巻物を搬送する搬送ライン


蒲田工業の強み:
「どの表面処理加工技術を選んでいいか?」、「どこに相談していいか?」、「もっと適切な処理があるのではないか?」、と困っていませんか?
蒲田工業には各種表面処理加工技術に豊富な専門知識を持つ専門スタッフが在籍しています。製造現場にも詳しいので、いろんな視点から提案できます。
数多くのお問い合わせ内容で取り組んできた知見や実績をもとに選定を行いますのでお気軽にご相談ください。


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