緊急用シャワー(緊急用シャワーブース)は、万が一、化学物質や有機溶剤などの有害物質を浴びてしまった場合に、その場で洗い流すことができる装置です。
この装置により、皮膚や目への被害を最小限に抑えることができます。
一般的に、研究所、工場、薬品保管庫など、危険物が扱われる場所に設置されています。
また、緊急用シャワーは、労働者の安全と健康を確保するために不可欠なもので適切に設置および維持することが重要です。
次の点に注意して設置することで、緊急時に効果的に使用することができます。
・アクセスしやすい場所に設置する。
・目立つ場所に設置する。
・定期的に点検、メンテナンスを行う。
日本では、1972年から特定化学物質障害予防規則(特化則)により、特定化学物質を取り扱う場所に緊急用シャワーの設置が義務付けられています。また、化学物質が使用される場合には、安全データシート(SDS)に従って、適切な対策を講じることが必要となります。
緊急用シャワーの設置基準は、ANSI Z358.1「緊急用洗眼器とシャワー装置に関する米国規格」が基準とされています。
この規格では、次の点が要求されています。
・緊急用シャワーは、危険物取扱場所から10秒以内に到着できる場所に設置すること。
・給水圧力は0.2MPa以上、流量は75.7L/min以上を確保すること。
・緊急用シャワーは、少なくとも15分間、持続して流水が確保できること。
・週に1回の通水テストを行うこと。
EシャワーⅡは、シャワーヘッド、洗眼器、FRP製パネルブースを組み合わせた美観に優れた製品です。
FRP製パネルは軽量で耐久性があり、腐食に強いです。
排水配管の埋設工事は必要ありません。給水と排水を接続し、アンカーボルトでブースを固定するだけで使用できます。
半透明樹脂扉を採用することで、薬液を含んだ水が飛び散るのを防ぎ、ブース内の使用者の存在を外部から確認できます。
扉により、使用者のプライバシーが保護されます。
特に女性作業員への配慮があり、薬液により衣服を脱ぐ必要がある場合でも適切なプライバシー保護を提供します。
EシャワーⅡは、使用者の安全確認ができる程度の透明度を維持しながらプライバシーを守ります。
※撮影時は扉を開けたままにしていますが、通常は閉めて使用します。
使用方法
1.ブースに入ります。
2.扉を閉めます。
3.バルブ引き棒を下に引きます。
4.天井面のシャワーヘッドから水が出ます。
5.必要に応じて、洗眼器を使用して目も洗い流します。
6.バルブ引き棒を上に押し戻すと水が止まります。
7.応急措置後、必ず医療機関を受診してください。
本体 | FRP製。W850×D880×H2230 |
シャワーヘッド | SUS304 |
シャワーヘッド用バルブ | SCS13A 25A |
緊急シャワー用バルブ開閉引き棒 | SUS304、樹脂製取手 |
洗眼器 | SUS304 ※標準で洗眼器が付きます。オプションで洗眼器無しにも変更できます。 |
洗眼器用バルブ | SUS304 15A プッシュプレート付き |
折戸用窓 | 樹脂板、半透明、内折戸、ドア脱着機構付き W=744(開口650㎜) |
床 | FPR仕様、グレーチング |
排水ボックス | FPR仕様、下り勾配付き |
排水口 | PVC VP50A ソケット+パイプ ※左、右、奥より選択可能 |
洗眼器用流量調整グローブ弁 | SCS13A 15A |
標準付属部品 | 床面固定用アンカーボルト(標準付属品) SUS304 オールアンカー M12×70 |
コストを抑えたい場合は、【EシャワーⅡ】(FRP仕様)がおすすめです。
屋外設置の場合は、【EシャワーⅢ】(ステンレス仕様)が最適です。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。
弊社では、安全第一、お客様に安心をお届けするために、出荷前検査に取り組んでおります。
検査項目は全部で26項目。水漏れ、増し締め、表面の傷の有無など、約1日かけて検査を行います。
■ 研究所
■ 半導体製造工場(エッチング、レジスト除去工程)
■ 清涼飲料水製造工場(容器加圧滅菌工程)
■ クリーニング工場(有機溶剤使用工程)
■ 化学工場(混合工程、充填工程)
■ 製鉄工場(酸洗工程)
事例;「緊急用シャワーブース(安全・洗顔・薬剤洗浄)―薬剤を浴びた時の緊急処置」へ
化学物質を取り扱う環境での労働災害対策として、洗身・洗眼する装置の設置が法令、制度および指針により設置が求められます。
(経済産業省ホームページより)
特定化学物質障害予防規則(特化則)(洗浄設備)
第三十八条 事業者は、第一類物質又は第二類物質を製造し、又は取り扱う作業に労働者を従事させるときは、洗眼、洗身又はうがいの設備、更衣設備及び洗たくのための設備を設けなければならない。
2 事業者は、労働者の身体が第一類物質又は第二類物質により汚染されたときは、速やかに、労働者に身体を洗浄させ、汚染を除去させなければならない。
3 労働者は、前項の身体の洗浄を命じられたときは、その身体を洗浄しなければならない。
(SDS省令改正(令和4年3月31日公布))
第三条 指定化学物質等取扱事業者は、法第十四条第一項又は第二項の規定に基づき提供する指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報に次の事項を含めなければならない。
三 当該指定化学物質等により被害を受けた者に対する応急処置
対象化学物質
第1種指定化学物質の515物質、第2種指定化学物質の134物質。
(トルエンなど石油系化学物質、ダイオキシン、ヒドラジン、鉛、水銀、金属化合物、等)
※2023年4月1日より施行
日本ではJIS規格がありませんが、一般的には、米国規格協会(ANSI)によって制定されたANSI Z358.1「緊急用洗眼器とシャワー装置に関する米国規格」が基準とされています。ANSI規格は、日本のJIS規格に相当します。
ANSI Z358.1規格では、洗眼器は給水圧力0.2MPa以上、流量1.5L/min以上で、15分以上連続して流水を供給できること、緊急用シャワーは災害場所から10秒以内に到着できる場所に設置し、トライアングルの引き棒を引いて1秒以内に作動すること、給水圧力0.2MPa以上、流量75.7L/min以上で、15分以上連続して流水を供給できること、および週に1回の通水テストを実施することを規定しています。
EシャワーⅡの納期はどれくらいかかりますか?EシャワーⅡは軽量で強度のあるFRP製ですが、手作業が多く、大量生産が困難なため、納期は2~3ヶ月かかる場合があります。詳しくはお問い合わせください。
EシャワーⅡの固定方法を教えて下さい。EシャワーⅡは、M12×70のSUS製オールアンカー4本(標準付属品)で地面(強固な場所)に固定します。その他の固定方法については、お問い合わせください。
温水は使用可能ですか?温水は使用可能ですが、本製品には温度調整機構はありません。水温はお客様のユーティリティ設備にてご対応ください。
コストを抑えたい場合は、【EシャワーⅡ】(FRP仕様)がおすすめです。
屋外設置の場合は、【EシャワーⅢ】(ステンレス仕様)が最適です。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。