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エコバイオシステム(ポーラスソフトセラミック)設置工事
水産食品メーカーの東京かねふく様で、工場から出る排水原水の水質負荷変動が大きく、不安定な状態でした。そのため、排水処理後の水質安定化と、それにかかる運転管理の手間の問題を抱えていらっしゃいました。
① 放流排水の水質が不安定
② 数値安定化のために、運転管理が非常に手間である。
処理装置名 | 樹脂ネット多槽式処理装置 |
処理方法 | 接触曝気浸漬濾接触酸化方式 |
処理水 | 水産食品(めんたいこ)製造時排水 |
排水処理施設の点検を実施、現状の工場排水(原水)を調査・設備能力の設計計算を行ない、ポーラスソフトセラミックを接触担体とした曝気槽増強、改善工事の提案をしました。 また、排水処理量の能力UPのために沈殿槽の新設も合わせて提案しました。
① 接触材としてポーラスソフトセラミックの担体エコバイオシステムを提案
② 排水処理量の能力UPのため、曝気槽改造・沈殿槽の増設を提案。
③ 設備の改修工事を提案。
・ 曝気槽No.1?3にセラミック担体ユニット充填(1800本)
・ 酸素補充用ブロアー1台設置
・ 埋設曝気槽から地上曝気槽への返送用ポンプ1台新設
・ 埋設の既設沈殿槽を廃止し地上に沈殿槽1基新設(34m³)
[排水処理施設] |
[セラミックユニット充填工事] |
[ポーラスソフトセラミックス] |
ポーラスソフトセラミックを接触担体としたエコバイオシステムは従来の接触材に比べて飛躍的に大きな表面積を有する接触担体で、多種多様の微生物群を保持することが出来るため、大量の排水を短時間に処理する事が可能です。また、好気性菌、通性嫌気性菌、嫌気性菌等*(注1)の微生物群を大量に保持できるため、微生物間で多くの食物連鎖が発生し汚泥の発生量も抑えることができるとともに、臭気の削減にも大変効果があります。
「改善後、放流排水の水質数値が基準値以下で安定し、一日の処理水量も35%増加させることができました。 また、排水処理施設の維持管理にかかっていた手間も簡素化する事ができました。
【改造前の状況】 | 【改造後の状況】 |
処理装置名:樹脂ネット多槽式処理装置 | セラミック担体ユニット式水処理装置 |
処方法:接触曝気浸漬濾接触酸化方式 | セラミック担体ユニット式水処理装置 (エコバイオシステム) |
処理水:水産食品(めんたいこ)製造時排水 | |
原水量/日排水量:45m³/日+0.3m³/日(漬込液) | 60m³/日+0.4m³/日(漬込液) |
原水BOD(mg/?):1500ppm+65000ppm(漬込液) | 90ppm以下 |
原水COD(mg/?):500ppm+40000ppm (漬込液) | 90ppm以下 |
原水SS(mg/?):300ppm | 120ppm以下 |
原水N-h:50ppm | 20ppm以下 |
原水Ph:6~8 | 5.8~8.6 |
今まで放流排水を基準値以内に抑えるためいたのが、改善工事後は定期的な確認・調整で基準値以下の数値が確保でき大変喜んでいただいています。にかなりの苦労・手間をかけられて |
蒲田工業は、環境問題への取り組みとして、排水処理施設においてお客様の設備の状況にあった専門的なアドバイスご提案を行っております。 設備の状況の調査、排水原水の分析、排水処理施設の能力設計計算・容積設計を行い、微生物製剤・バクテリア製剤のご提案から処理施設の改善工事・新設工事まで幅広く手がけております。 排水処理施設の改善による施設内の臭気の削減、BOD・COD・SS・N-ヘキサンの削減を実施、ひいては排水の浄化により海や川の水質維持に貢献しています。
排水処理のプロフェッショナルです。 お客様の設備に合わせて、排水処理施設の設計計算などによる改善工事・新設工事を提案、自ら施工管理も行ないトータル的にサポートさせていただいております。 その専門性や的確なソリューションにより、ご相談いただいたお客様からの信頼は絶大です。
嫌気性菌 | 嫌気性菌は空気【酸素】を必要とせず、酸素が無くても生息できる菌です。むしろ酸素がある場所では生息できない菌と理解した方が分かり易いかもしれません。この菌の多くは、物を腐らせたり、醗酵させる力(分解力)を持っています。しかし、それに伴ってきつい臭いも発生させるため、場合によっては害虫を呼び込む原因にもなっています。 |
好気性菌 | 嫌気性菌に対し酸素を必要とします。酸素が無ければ生息できない菌です。この菌の多くは、嫌気性菌が物を醗酵させたり、腐らせた後も更に、分解をすすめ無機性化まで促進させます。つまり、形が無くなるまで分解が可能な菌です。当然、臭いも消してくれますし、害虫の発生も少なくなってきます。 |
通性嫌気性菌 | 酸素はあっても無くても生息できますが、酸素があれば活発に動き出す菌です。どちらかと言えばば、日和見的な菌と言えます。(微生物全体がほとんど日和見的なのですが)つまり、勢力の強いほうに加勢しやすいので、目的に応じて、他の菌と配合して使われます。 |
BOD(生物化学的酸素要求量) | BODは、水中の有機物等が微生物の働きによって分解されるのに要した酸素の量で示した指標のことです。水質が悪いほどBODは高くなります。 |
COD(化学的酸素要求量) | 水中の被酸化性物質を参加する為に要した酸素の量で示した指標のことです。水質が悪いほどCODは高くなります。 |
SS | 浮遊物質量の略称で、浮遊物質といいます。粒径2mm以下の水に溶けない、水中の濁りの元となる物質の量。数値が大きいほど水質が濁っている事を示します。 |
N-h(ノルマルヘキサン 抽出物質含有量) |
水中の「油分等」を表わす指標として用いられます。動植物油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質などの脂肪酸誘導体、ワックスグリース、石油系炭化水素等の総称で、溶媒であるn-ヘキサンにより抽出される不揮発性物質のことをさします。 |
Ph(水素イオン濃度) | 水素イオン濃度のこと。7が中性、7をこえるとアルカリ性、7未満は酸性。 |