ホーム > お困りごと解決事例 > 索道(工場内輸送用ロープウェイ)での索条(ワイヤーロープ)長寿命化&キシミ音解消!
鉱業関連のお客様における事例です。
工場内に資材搬送用に索道(ロープウェイ)が設置され使用されています。搬器(吊り下げられている輸送機器)が支柱を通過する際にバランスサドルとワイヤーロープ(ロックドコイル)の間で大きな摩擦が生じ、ワイヤーの線切れに長年お悩みでした。また支柱に対しても負荷がかかっており、大きなキシミ音も発生しています。
① バランスサドル部の摩擦を低減する対策が必要。
② 屋外高所なので、大がかりな改造工事は困難。溶接作業等も難しい。
③ 特にメンテナンスを必要としない対策方法が望ましい。
④ 対策を必要とする箇所は50か所を越える。
現状を確認したところ、バランスサドルとワイヤーロープが金属同士で接触しており、確かに大きな摺動抵抗が発生していました。施工条件も踏まえZ-1ライナーをバランスサドル部に貼付ける対策を提案しました。
※Z-1ライナーは摩擦係数が低く耐摩耗性にも優れる超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)と特殊ゴムを一体成型した高性能ライニング材です。
① 超高分子量ポリエチレンは高い滑り性と耐摩耗性を持ちますが、接着が困難な素材。Z-1ライナーは特殊ゴムと完全に一体成型されており、ベースゴムは取付け対象に容易に接着固定が可能。
② Z-1ライナーには用途に応じ様々な厚みの仕様がラインナップされている。今回は超高分子量ポリエチレン厚み3㎜、ベースゴム厚み3㎜の仕様を選定した。
③ ベースゴムの弾性は衝撃の低減にも作用する。
④ 取付け箇所は実線側(ワイヤーロープ径φ50)32か所、空線側(ワイヤーロープ径φ36)32か所の計64か所。
滑り性が良くなり、抵抗が少なくなった為、ウエイトでスムーズにロープ(ロックドコイル)を引くことができ、全体を均一に張られ、支柱への負荷が軽減されました。バランスサドル通過時の騒音もはっきりと低減しています。ロープ(ロックドコイル)の線切れも抑えられることが期待できます。
施工環境も解決策の選定には重要な条件です。様々な解決策の蓄積があるからこそ、最適な提案が可能になります。この事例のように、滑り性を向上させての解決や耐摩耗性を向上させての長寿命化など、豊富な表面処理技術ラインナップで、現場で発生する課題の解決・解消に蒲田工業は力を発揮します。