ホーム > お客様取材記 > アシザワ・ファインテック株式会社 様
企画室 藤原様… 当社では、ナノサイズの粒子をつくりだす粉砕機・分散機の開発、製造を行っています。1n(ナノ)mは1mの10億分の1の大きさです。主力製品であるスターミルでは投入された30μmの粒子を13nmにまで粉砕します。
先駆けて取り組んだ大流量循環運転方式が高い評価を受け、近年約10年で1000台以上の納入実績を重ねています。
※粉砕とは一つの大きな粒子を砕くこと。分散とは微粒子の凝集体をほぐすことです。
試作課 リーダー 加藤様… まず、小型化、軽量化が求められる化学製品や電子材料です。電池やセラミックスなど原料を微粒子化することで搭載機器の軽量化や長寿命化などの性能を向上させることができます。
また、化粧品や塗料に使われている顔料にも微細化技術が使われています。粒子を細かくすることで発色が良くなり、より美しく、より艶やかに見せることができるのです。食品や、薬品にも使われます。微細化することで吸収力や浸透力を高めることができるのです。
他にも様々な分野で、当社の微粒子化技術はナノテクノロジーを支える基礎技術として評価されています。ナノテクノロジーの活用によって、新素材の開発や、更なる高機能化が実現しています。
試作課 遠藤様… やはり二次電池(蓄電池、充電式電池)の分野ですね。電池にはレアアースが多く使われており、その代替素材の開発は全世界で競争が繰り広げられている分野です。またエネルギー密度を上げ、性能を向上させる目的でも微粒子化技術が必要とされています。
導入を検討されているお客様に納得してご購入頂くために、実機テストを行っています。サンプルを送付頂いて実験し、データを提出することもありますし、お客様にご来社頂き、立ち合いテストを行うこともあります。また粒子のサイズや、硬度などに合わせて最適な運転条件を見つけ、設定することも私たちの部署で行っています。
試作課 遠藤様… 以前から、クリーンラボの導入は検討していました。粉砕機・分散機自体は密閉された装置ですが、サンプルの投入時などにおける異物混入の懸念があったのです。粒子サイズがどんどん小さくなり、クリーンな環境でのテストが求められるようになってきました。
当社ではご来社頂いたお客様にアンケートをお願いしているのですが、2年前からテストを行う環境についての項目を加えたところ、我々が懸念していた通り低い評価を下されることが目立ちました。特に食品や薬品の分野のお客様からは厳しいご指摘を受けることがありました。
試作課 リーダー 加藤様… やはり、製品の良さをご理解頂くためにもクリーンな環境が不可欠だということになりまして、クリーンラボの導入を決めたのです。導入にあたっては、建屋建築を主とする会社、パーテーションメーカー、そして蒲田工業さんに提案を依頼しました。
1.フレキシブルな対応
2.床工事から空調など全てを一貫施工
コストはもちろんですが、一番のポイントはフレキシブルに対応してくれたことですね。
塗料などの粉砕には有機溶剤を使用することが多くあります。クリーンであるだけでなく、有機溶剤を速やかに排気してもらわなければなりません。 吸気と排気のバランス、排気ダクトの位置設定など我々の作業を踏まえて提案してくれました。
また、設置個所には排水用の溝があり、床全体も水勾配がつけられていました。この点に関しても、ステンレスの溝カバーを埋め込み、勾配もモルタル打ち直しでフラットにした上で、耐薬品性の高いライニング仕上げにするという提案をしてくれました。
床工事から、ブース本体、空調関連まで全てお願いできるというのが選定の決め手になりました。同時に見積もりをお願いしていた他の業者さんでは、「この部分は施工範囲外です。別途手配願います。」といわれる部分があり、工事管理の点からも、発注手配の点からも頼みにくく、一貫施工してくれるというのは非常に魅力でしたね。
発注から、設置までの時間が非常に短くなってしまいましたが、当初希望していた通りの納期に仕上げてくれました。
ブース本体の工事と並行して、床の仕上げや、ダクト、排気ファンの取り付けなどの付帯工事をうまく段取りして施工してくれたので、工事前は間に合うかと心配しましたが、運用予定日に間に合わせてくれて助かりました。
試作課 遠藤様… まだ導入して日が浅いですが、導入後のアンケート結果を見ると間違いなくテスト環境についての項目での評価点は向上しています。以前は5段階評価で2をつけられることもありましたが、今では4や5の評価を頂けています。
企画室 藤原様… 展示会でも、クリーンラボの写真をパネルにして、お客様にアピールしました。従来から当社の製品の良さをご理解頂くために積極的に、実機テストのご提案をしていましたが、クリーンラボの導入で、より自信を持ってご提案できるようになりました。評価試験の信頼性向上にもつながっていると思います。
試作課 加藤様… 微細化のレベルはどんどん上がっています。お客様の要望に応えていくために今後は製造、組立などの工程においてもクリーン度を向上させていく必要性が出てきます。その際はまた相談に乗って下さい。
試作課 遠藤様… クリーンラボを運用していく中で、ダクトの再配置の必要性などが出てきそうです。改善についての相談をしたいと思っています。 完成時に無負荷状態でのパーティクル測定データは頂きましたが、今後、運用状態でのクリーン度のデータを取りたいと考えています。
(蒲田工業 百済)… 有機溶剤の種類によっては、排気ファンの運転条件変更や、ダクトカバーの設置も有効です。改めてご提案致します。運用時におけるパーティクル測定も弊社で行うことができますので、日程の調整を致します。