ホーム > お客様取材記 > 東陽理化学株式会社 様

Customer お客様取材記

東陽理化学株式会社 様

決め手は、価格と納期、施工実績豊富で信頼できる会社であること、問い合わせに対してレスポンス良く返答いただけたこと、そして何より張元さんの明るい人柄でした。

東陽理化学様について

東陽理化学様の事業内容や特徴についてお聞かせ下さい。また、現在特に注力されている取り組みなどがあれば教えてください。
東陽理化学株式会社様の訪問記の様子

金属のステンレスの表面処理を行っている会社です。もともとは、お客様が生産された加工品、医療機器、網籠など様々な種類の製品に対し、お客様のスペックに応じた電解研磨や酸洗いなどの表面処理を施し、その後お客様にお返しするという流れで行っていました。
ここ2〜3年でお客様のニーズが変化し、現在はお客様のご要望を伺った上で、当社が加工品の手配を行い、外注先で研磨された加工品に対して電解研磨、検査工程、クリーンルーム内での洗浄、精密洗浄を施し、最終的にパッケージングと納品という一貫生産の流れで対応しています。

大阪工場 統括責任者 霜鳥部長様が担当されているお仕事内容について教えて下さい。

私は総務経理部に所属しています。もともと埼玉本社で4年間ほど総務経理を担当しており、4年前に大阪へ転勤となり、本社で行っていた業務を引き継いで、現在は大阪でその業務に従事しています。

施工前のお悩み・課題・ご要望の背景について

弊社へご相談いただく前に、どのようなお悩みや課題を抱えていましたか。

お客様の増産に伴い、新工場の建設及びクリーンルームの設置を計画し、4社様で相見積を取得しました。
蒲田工業様は、対応の良さに加え、金額面と納期の両面で優れていたため、依頼することに決定しました。相見積もりを取得する会社様の選定については、社長自ら展示会に足を運び、ホームページを調査して情報を収集し、信頼できると思われる会社様へ問い合わせを行っていました。一大事業投資の計画として取り組んでいたため、入念なリサーチを実施し、最初の打合せには社長も参加して詳細な内容について相談していました。

これらの課題やご要望は、いつ頃から認識されていましたか。

2022年の工場を新規で立てる計画と同時に、その中にクリーンルームも検討していました。

相談から施工までについて

蒲田工業の製品・サービスをどのように知りましたか。

最初に、社長が展示会に足を運ばれた際に蒲田工業様を知り、説明を受けたことがきっかけとなりました。その後、社内でも情報を共有し、カタログやWebサイトを通じて製品やサービスを理解しました。

初めて蒲田工業を知った際、どのような印象を持たれましたか。

ホームページを拝見して、当初は東大阪に営業所があることは知っていました。調べていくうちに全国に営業所があり、信頼できる大きい会社だと分かり、驚きました。

他社製品・サービスを調査されたということですが、例えば、価格、納期、性能のどれを特に重視されましたか。

クリーンルームの性能については、当社に十分な知識がなかったため、頂戴した見積もりの金額を基に、同等の性能を持つクリーンルームを比較検討した結果、最終的に決定いたしました。その際、蒲田工業様からのご提案内容を参考に検討した結果、メーカーによって多少の違いはあるものの、断熱素材の仕様がほぼ同一であること、完成品の外観もほぼ同様の仕上がりになることを確認しました。今回の私たちの要望は、全体のコスト削減(当社のお客様へ還元するため)でした。その点を実現するためには、蒲田工業様からご提案いただいた「空調ダクトをパネルダクト方式に変更する」ことにより、価格や納期を私たちの要望に近づけられることがわかり、その提案を踏まえ、蒲田工業様に依頼することとなりました。

その中で蒲田工業をお選びいただいた決め手は何でしょうか?

蒲田工業さんに決めさせていただいたポイントは4つあります。

1.価格と納期
2.施工実績豊富で信頼性のある会社であること
3.問い合わせに対してレスポンス良く返答いただけたこと
4.張元さんの明るい人柄

導入時のプロセスで特に困難だったことや、弊社の担当者(張元)がどのようにサポートしたかを教えて下さい。
東陽理化学株式会社様の訪問記の様子

洗浄装置の設置に伴う搬入方法は、パネルを脱着扉の仕様にし、そこから搬入する方式を採用しました。その際、都度一緒に相談し、確認しながら進められた点に安心感を覚えました。
また、工事の終盤において、当社のお客様が工場を見学される可能性を考慮し、クリーンルーム外から内部の作業風景が確認できるようFIX窓の設置を社内から要望されたのですが、その点についても追加工事に快く早急に対応いただけたことが大変良かったです。

クリーンルーム導入後の効果について

クリーンルームを導入したことで、どのような課題が解決されましたか。

従来のクリーンルームは清浄度クラス10,000のものを使用していました。今後求められる要求が厳しくなってくることを踏まえ、清浄度クラス1,000の仕様で新設したので、製品の品質向上を実現し、その点をお客様から高く評価いただきました。また、広い作業スペースの確保ができたため、生産量が増加し、売上向上にも繋がりました。

クリーンルーム設計施工
半導体製造装置用部品パッケージクリーンルーム
導入後に「良かった」と感じたポイントや、予想外に気づいたメリットなどがあれば教えてください。

1階は洗浄室、2階は温湿度制御されたパッケージングルームとして使用しています。
2階は、製品への付着防止対策として静電気が発生しにくい温湿度制御された環境に改善したことで、季節の天候に関係なく快適に作業ができる環境を構築することができました。今までは、湿度を調整していないので、作業場が夏場になると蒸し暑いと感じたり、逆に冬場は湿度が下がって乾燥したりしていましたが、その課題も同時に解消できました。作業環境に関しては、現場で働いている社員さんも大変満足しています。

導入前と比べて、具体的な成果や数値(例:不良率の低下、作業効率の向上など)に変化はありましたか。

今回は建屋ごと新設したため、毎朝パーティクルカウンターで清浄度を測定し、維持状況を確認することで、安心して作業できる環境が整っています。
また、以前は狭いクリーンルーム内で多数の作業員が作業しており、湿気の影響もあって作業環境が十分ではありませんでした。さらに、今回も洗浄装置の設置により、装置からの発熱が滞留しないよう空調機を設置し、温度調整を行って作業環境の悪化を防ぐ対策を講じています。その結果、お客様に工場をご見学いただき、こうした環境改善を評価していただいたことで、発注量が増加するという大きな変化がありました。

今後の展開

今後のビジネスの展望や、さらに伸ばしていきたい分野についてお聞かせください。
東陽理化学株式会社様の訪問記の様子

現在、当社は労働集約型の生産スタイルを採用しており、仕事量が増加すれば、その分人員を増やす形で作業を行っています。現在、約17名の作業員が在籍していますが、この労働集約型のスタイルを維持し続けると、今後、人材不足の影響で労働生産性が低下する課題に直面すると予想されます。実際、現状でも人員の確保に苦労しているため、今後は労働集約型から生産ラインの自動化への移行が、当社が取り組むべき課題となっています。
また、現時点で、人手による作業が必要なパッケージングラインと、顕微鏡による全数検査を行う検査ラインの自動化を早急に検討しています。パッケージングラインに関しては、数ヶ月前から検討を開始しましたが、クリーンルーム内で自動化が可能な装置メーカーが未だ見つかっていない状況です。とはいえ、将来的には、生産性が向上した場合でも最低限必要な人数で生産量を増やせる生産スタイルの確立を目指していきたいと考えています。


東陽理化学株式会社ホームページ

お忙しい中訪問記のご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。